「どがんか、なってしもうた」というお電話が本当に多いんです。その
やりとりをちょっと再現しますと…。「テレビが、どがんか、なってしもうた」
「どがんした?」「画面が消えた」「スイッチ、消さんかった?」「消さん」
「リモコン、さわらんかった?」「さわらん」「待っとって、見に行くわ」
「……いつでもよかよ」 ―だいたいこんな会話です。お客さまは気を
つかって「いつでもよか」とおっしゃってくださるんですが、やはり
ホンネは「すぐ来て、見てほしいなぁ」というお気持ちだと思うんです。
うちの店は、昼間はスタッフが担当地区別にクルマで外回りをしている
ことが多いので、すぐ担当スタッフに連絡をとり、お伺いするように
心がけています。まぁ、こんなときも実際には、お客さまがご自分でも
気づかないうちにリモコンに腕が触れたりして、画面が切り替わって
いただけ…ということが多いんですけどね。
このあたりはお年寄りも多く、お出かけが難儀な方もいらっしゃいます。
乾電池がなくなった、なんていうときも「気軽に電話してくれたらよかよ」
と言ってるんです。外回りをしているクルマにはいつも、乾電池や
掃除機の紙パック、ファクス用紙などの消耗品を積んでいますから、
お客さまからご依頼があったとき、すぐお届けできるんです。
お客さまの「電池がなくなった」というお電話に、「単1? 単3?」
とお尋ねしても、「?」という方もいらっしゃいますから、「ちと太か電池?
ちと細か電池?」とお聞きしています。「ちと細か」とおっしゃれば、
「何に使うの?」。そのとき「テレビ」とお答えがあれば、「ああ、それなら、
テレビのリモコン用の単3電池だな」と類推するんです。
あるお客さまからは「にしやまさんとこの、いつもの人、とても親切」
とおっしゃっていただきまして。うちのスタッフ、乾電池をお届けした
ときも、「おばあちゃん、リモコン貸して。ついでに入れ替えとくわ」って、
乾電池のセットもお手伝いしているとか。老眼になられていると、
乾電池をどっちの向きに入れるのか、手元も見づらいですものね。
まあ、当たり前といえば、当たり前の気づかいですけど。
お客さまからの「どがんか、なってしもうた」というお電話にお答えする
ためにも、たとえばオーブンレンジなど、新しい商品が出たら、まず自分
で実際に使ってみるようにしています。「なに押した? どんな画面に
なっとる?」とお聞きしたりするんですが、その機種のことを把握して
いないと、お電話でのご質問になかなか答えられませんから。それに、
使い方が簡単になったとはいうものの、自分で使ってみると、お客さまが
ここで戸惑うかも、とわかるようになるんです。だいたい、どのお客さまが、
どのタイプの商品をお使いかも、覚えているものですね。いちどに覚え
きれなくて当たり前ですから、気軽に電話してくれたら、よかです。結局
は私、お客さまの喜ぶ顔が見たくて、街のでんきやをやっているんです。
近くに住んでいるからこそ、地域の事や気候の事もよくわかってくれた上で、
最適なリフォームを提案します。
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