先日、あるお客さまから大がかりなリフォームのご依頼をいただきました。
実はそのお客さま、10年ほど前からリフォームしたいというお気持ちは
あったみたいなのですが、いろいろなご事情でできないままで。
うちの店にご依頼くださったときは、うれしかったですね。お客さまに、
どうしてうちを選んでくださったのかとお尋ねすると、返ってきた答が、
「アンタだったら、文句も言いやすい!」。その言葉に、ますますうれしく
なりましたね。思ったことはお腹に溜め込まず何でも言えるし、
それに対しても、納得いく答が返ってくる。お客さまは、そう思って
くださっていたのです。こういう関係を築けること。それこそが、
“街のでんきや”の原点みたいな気がします。
親父が始めた店を継いで長く経ちます。途中、思うところあって
サラリーマンをしていた時期もあります。親父の落下事故で再び、
電器屋に復帰した頃のことを考えると、“販売のオニ”だったと
思います。たとえば「冷蔵庫のことで…」とお客さまが言ったそばから、
もうお売りすることを考えている。お客さまは修理をお望みになって
いるかもしれないのに。もし、自分が客だったとしたら、こんな
売る気マンマンの店はイヤですよね。「今日は何を売りに来た?」と
お客さまがガードを固めるのも当り前です。修理をするのがいいのか、
買い替えるなら、どういう機種がいいのか。いまは、お客さまに複数の
選択肢をご提案しながら、お客さまの気持ちにそって考えるように
しています。そして、自分の仕事の価値についての考え方を、改めました。
私がやっている仕事は、モノを売ることではない。お勧めする商品が
持っているコト(機能)で、お客さまの生活がどう変わるのか…。
そのことに軸を置き、どうお役に立てるかを考えるようになりました。
お客さまと私たちとのお付き合いは、継続が前提。メンテナンスを必要と
する商品も多くありますし、お客さまの毎日の生活に密着しています。
困ったことがあったら、すぐ飛んできてほしいでしょうし、信頼できる
ところと付き合いたいと思うのは当然です。どんな商売もそうかも
しれませんが、私たちの仕事って特に、人間力じゃないでしょうか。
うちの店では毎月、かわら版を発行しているのですが、それには自分の
思ったことや出来事などプライベートなことも書いています。
「ナカマツって、こんな人間か」とお客さまに知ってほしいと思うのです。
そして、何か困ったことがあるとき、「ナカマツに相談してみようか」と、
思い出していただける自分でいたいと思います。
私は、「変えてはいけないこと」と「変えなければいけないこと」がある
と思うのです。「変えていけない」のは、人としての心や、お客さまへの
感謝の気持ち。「変えなければいけない」のは、環境の変化に
対応しての目線や決断。人生は山あり谷あり、楽しいことも苦しいことも
たくさんありますが、私はこの仕事を通じて大切なお客さまとともに、
最後に「Life is good!」と言えるような人生でありたいと思っています。
近くに住んでいるからこそ、地域の事や気候の事もよくわかってくれた上で、
最適なリフォームを提案します。
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