うちの店は父が創業したんですが、その頃からのお馴染みさまも多く、
80歳代とか90歳代のお客さまも大勢いらっしゃいます。お年寄りは
朝が早いですし、何かあったときは朝も夜も関係なくお電話がかかって
きます。「冷蔵庫がしゃべる」という訴えは、食品の入れすぎでドアが
開いたままになっていただけ。「テレビが映らない」という訴えは、昼間
いらしたヘルパーさんが、掃除機をかけるためにテレビのプラグを抜いて、
そのまま抜きっぱなしになっていただけ。駆けつけてみると、たいていは
そんなことが多いんですが、お客さまにとっては、いったいどうしたことか
と一大事。お電話をいただいたら、できるだけ速やかに駆けつけるように
しています。なかには、「子供たちは独立して遠くにいるので、緊急時の
連絡先に、中川さんの名前を使わせてもらったわ」とおっしゃる方も
いらっしゃいます。確かにお客さまとはもう、家族みたいなお付き合い。
家電製品のお買い替えのときも、「テレビ持ってきてー。うちにはどんなの
がいいか、だいたいわかるやろ。」と電話一本なんです。
昔からお付き合いのあるお客さまはともかく、ここに電気屋があると
わかってはいても、気にもとめていない方が大勢いらっしゃると
思います。街のでんきやのことをもっと知ってほしい。そんな思いから、
うちの店ではソフトチラシと呼んでいるんですが、モノというハードを
売るためではなく、私たちがご提供できるサービスをご紹介する
チラシづくりに力を入れています。たとえば、古いコンセントは
発火の原因になることもありますから、コンセント交換のご提案チラシ
であったり、蛇口の交換についてであったり…。生活に役立つ情報提供
はするけれど、売り込みはしない。というのが私たちのスタンス。
いわば、待ちの商売です。でも近頃、ありがたいことに、チラシを
見たという30~40歳代のお客さまが、毎月のように増えているんです。
先日も若い独身男性から「他の店で買ったエアコンのことなんですが…」
とご相談がありました。なんでもマンションにエアコンを取り付けて
もらったら、その後、水が漏れていると階下の方からクレームが
あったとか。すぐ購入した店に電話したところ、忙しく一週間後で
ないと人を回せないという返事。この対応に困ってしまい、チラシで
見たうちの店なら何とかしてくれるのでは、と思ってのご相談でした。
さっそく伺ってみると、室外機と室内機をつなぐホースに虫が入り
込んでいたのが、水があふれだす原因。ホースを取り替えるだけで、
簡単にトラブルに決着。気がかりが、一週間どころか、あっという間
に解決し、喜んでいただきました。「使い捨てなら安いところで買うけど、
家電はねぇ…」と言ってくださる若いお客さまも増え、アフターフォロー
面などの安心感が世代を超えて広がっているなあと実感しています。
私の父は亡くなりましたが、ホタルの飼育のスペシャリストで、
北九州市と一緒に、小学校にビオトープを作ったりしていました。
町に花を根づかせようと、花咲く街角運動などもしていましたね。
私の趣味は、沖縄さんしん。みんなで演奏し、歌うのが、ハッピーで
たまらんですね。この前は、幼稚園の園長先生のご提案もあって、
町の100人の子供たちとエイサーを楽しむイベントを行ったばかり。
家内は家内で、店の二階で書道教室を開き、下は幼稚園児から上は
90歳ぐらいのお年寄りたちと一緒に楽しんでいます。ダウン症の子も
通っているんですが、のびのびと素晴らしい字を書くんですよ。
電気屋として町の方がたのお役に立つことはもちろんですが、こうして
町の方がたと楽しい時間を共有できることほど幸せなことはないですね。
店の外には5台の冷蔵庫が待機しているんですが、夏祭りなど
イベントのときには、氷づくりにフル回転です。
近くに住んでいるからこそ、地域の事や気候の事もよくわかってくれた上で、
最適なリフォームを提案します。
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