うちの店は、今年2015年で創業90周年を迎えました。創業したのは現社長(私の叔父)の父であり、私にとっては祖父。1925年(大正14年)、梨畑が広がるこの寝屋川に、わずか6坪の店を構え、ランプやソケット、ロウソク、提灯などを販売したのが始まりです。戦後の経済成長とともに、次々と電化製品が登場。1958年頃は白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫のいわゆる“三種の神器”がご家庭へと普及し、おかげさまで、うちの店も大忙しだったといいます。
しかし、東京オリンピックで沸き立つ1964年頃、数軒先に量販店が進出してきて、店は存続が危ぶまれるほどの大打撃。2代目社長である父のもとに嫁いだ母は、これまで以上にお客さまに気持ちよくお買い物をしていただきたいとの一心で、一度でもご来店くださったお客さまのお名前はすべて覚え、子どもたちを寝かしつけた後は三面鏡の前で、気持ちのいい笑顔をつくる訓練をしたとか。従業員たちもみな、お客さまからのご依頼には、できるだけ早く飛んでいく。仕事は丁寧をモットーに、長年ご愛用いただけるよう耐久性のある部材を使用する。使い方がわからなければ、何度でも足を運ぶ。そんな地道な商売を続けているうちに、少しずつお客さまがお得意さまになってくださったそうです。
ところが商売も軌道に乗った1973年、今度はオイルショックというパンチ。モノが売れない、どうしたらいいかわからない。悩んだ末に母は、経営の神さまである松下幸之助氏に、自分の思いをしたためた巻手紙をお送りし、幸運にもお目にかかってお話を拝聴する機会に恵まれたとか。「どんな苦境にあっても、努力すれば道は必ず開ける」とのお話をいただき、「買ってよかったと喜ばれる商売」だけを心がけたといいます。
いまもこの地でマスダデンキは、電化製品のことはもとより、電気工事、水道工事、通信設備、太陽光発電、リフォーム、家の新築まで、快適生活をお手伝い。「雨樋に詰まった木の葉を取ってほしい」「郵便ポストを取り替えたい」「庭の石のデコボコを整備してほしい」--日々のお困りごとにもお応えしながら、この90年、地域のみなさまとともに歩んできました。
うちの店には、昔からのご年配のお客さまも大勢いらっしゃるんですが、みなさんお元気でうれしくなります。この前、ビューティ家電をお試しいただけるエステパーティを開いたときには、86歳の女性も参加してくださって。おうちにお帰りになるや、「やはり、あれ、いただくわ」というお電話。「美に年齢は関係ないのよ」なんておっしゃっていました。また私は、マンツーマンでパソコンをお教えする出張パソコン教室も開いているのですが、生徒さんの中には90歳代の方も。先日はその方のご紹介で、60歳代のお豆腐屋さんも新しく生徒さんになられました。みなさん、意欲満々なんです。
実はこの秋、パナソニックから、久留米大学とJAXA(宇宙航空研究開発機構)との共同開発商品である“ひざトレーナー”が発売されたのですが、さっそく80歳過ぎの男性が第1号をご購入。ひざまわりの筋肉を歩きながら効率的に鍛えられる機器なんですが、「まだまだ衰えてなんかいられない」と張り切っていらっしゃいます。これからは一カ月に一度ご来店いただき、筋力チェックをしてさしあげるなど、街の方々の健康サポートにも力を入れていきたいと思っています。
うちの店は母や叔母、私をはじめ女性スタッフが多いですし、私たち、おしゃべりが大好きな大阪のオバちゃんたちですから、それはそれは賑やかなんです。店は昔からの商店街に面していますから、ありがたいことに、お客さまもお買い物のついでに立ち寄ってくださいます。みんなでお茶を飲みながら楽しい時間を過ごしています。この前は70過ぎの男性が、自分で焼いたというスポンジケーキを持ってきてくださって、みんなでティーパーティ。町内には一人暮らしのお年寄りも多いんですが、うちの店が、こうして街のみなさんと楽しめるコミュニティの場になっていたらうれしいですね。これまでの90年に感謝しつつ、これからもお客さまの笑顔とともに歩み続けるマスダデンキでありたいです。
近くに住んでいるからこそ、地域の事や気候の事もよくわかってくれた上で、
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