うちの店の仕事って、つまりは、おうちのお困りごとに駆けつけるということですかね。
妻と母は店にいますが、僕と従業員の西川くんはたいていお客さまのお宅に伺っています。
この町のみなさんとは、父が創業した32年前からのお付き合いなんですが、
もっぱらこちらからお伺いしているので、昔からのお客さまでも、
うちの店がどこにあるのかご存じない方も多いんじゃないでしょうか。
今日は寺澤様のお宅に、LED電球の交換に伺いました。いくつものお部屋があり、
照明の数も多いものですから、計画的にLED電球へのお取り替えを進めているんです。
どのお部屋で何をされるか、だいたいわかっていますから、お部屋にふさわしい明るさも、
こちらで考えてお取り替えします。今回は玄関の照明なんですが、ちょっと明るめに変えました。
LED電球に交換したら、ホコリのついた照明カバーも、洗面所をお借りして水洗い。
掃除用具などはいつもクルマに積んでいます。ついでに他のお部屋の照明器具も点検したり、
たとえばドアの蝶番などに不具合があれば直しておきます。
そうそう、この前は、ずっと昔から愛用していたデスククリーナーがもう一つ欲しいそうで、
生産終了のようだけど探せないか、なんて相談されました。
お客さまからは、お礼のおハガキをいただくこともあって、うれしいですね、励みになります。
僕は18歳のとき、この店の従業員募集の折り込みチラシを見て、応募しました。
実はそのときまで、電器屋さんに特別の興味があったわけでなく、
電器屋さんになろうなんて考えてもいませんでした。
自分は何となく接客業に向いていると思っていたのですが、この店に就職して、
街のでんきやさんの仕事って、“接客”という以上に深く濃いものがあることがわかりました。
何しろ僕たちは、お客さまのお宅のお風呂場だったりトイレだったり寝室だったり、
ときには冷蔵庫の中身だって見てしまう。
本当にお客さまのプライベートな生活とともにあるんです。
それだけにお客さまに信頼され、僕に頼んだことを心からよかったと思っていただける存在に
ならなくては。いまでは、街のでんきやという仕事に、とても誇りを持っています。
お客さまのお宅に伺うと、“まぁ、座りいやぁ”なんてお菓子を出されて、
世間話が始まったりもします。お馴染みのお客さまですと、ちょっと出かけてくるから、
勝手に修理やっといて、なんていう調子。でも初めてのお客さまのところに伺って、
たとえばインターホンの設置工事なんかをしていると、
そばで僕の仕事ぶりをご覧になっていて、そんなときはちょっと緊張します。
電気オンチの私が、街のでんきやの嫁になるなんて不思議。
結婚して店を手伝いだした当初は、乾電池の単1か単4かもわからなかったんです。
お義母さんについて、見よう見真似で仕事を覚えていったのですが、
そのうち、こんな私でも何か新しいことにチャレンジしたいなぁと思って。
それで2015年1月から、月に一回、店でカフェと称して、地域のみなさまが交流できる場を
開くことにしました。店長である主人や西川くんはお客さまといつも接していますが、
義母や私は主に電話での応対。じかに接する機会も少なく、残念に思っていたんです。
毎月の開催日をチラシやFacebookで、地域のみなさまにお知らせしているのですが、
多くの方に楽しみにしていただけるようになりました。
義母と同年代のひとり暮らしの方は、「家で閉じこもっていてもつまらないからね」と
来てくださいます。私と同年代のママ友は、「ちゃちゃっと家事をしてコーヒーを
飲みに来るのが楽しみ」とおっしゃって、ご年配の方に育児の相談なんかもされています。
コーヒーを豆から挽いて淹れ、自信はないんですけど手作りのお菓子を出したり、
ときにはみんなでアクセサリーを作って楽しんでいます。
いろんな年代の方が気軽に訪れて、町のちょっとした憩いの場になっていたら、
それだけでうれしいです。
お付き合いは30年前、店長のお父さんの代からなんです。
ここを新築して引っ越してきたとき、しばらくしたらトイレに不具合が起こって。
どこに見てもらおうか迷いながらも頼んだら、とても親切。
わざわざ修理に必要な道具まで取り寄せて、直してくれたんです。
すっかり感激して、それ以来、家のことはすべておまかせです。
還元水素水の生成器を買ったときは、いちばん使いやすそうな設置場所が、
そこに置こうとするとちょっと不安定だったものですから、安定するように置き台まで
作ってくれました。家の中まで入ってもらうわけですから、安心できる人でなくちゃと
思いますし、店長は甥っ子、西川くんは孫みたいですね。
近くに住んでいるからこそ、地域の事や気候の事もよくわかってくれた上で、
最適なリフォームを提案します。
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