お客さまと店の間に“それぞれの物語”
Vol.97
パワフルお母さんの話
面倒見のいい
肝っ玉おかあちゃんと
思われてるんじゃないかしら。
大阪府大阪市
スウィート かめみず
亀水晴代
「カギを預けとくから、勝手に入って」。
この町のお客さまとは、そんな関係なんです。
うちの店があるのは、下町の風情が残る大阪市東成区。店は間口も狭く、ノスタルジックな雰囲気が漂う外観ですから、「この店、何してるの?よくつぶれないね」なんて思われているかも。でも実はこう見えて、けっこう忙しいんですよ。街のでんきやの仕事場というのは、店の中ではなく、お客さまのお宅。外からは何しているのか、なかなかわからないと思います。
社長である主人が二代目として継いだこの店も、昨年、創業70周年を迎えることができました。おかげさまで、昔からのお馴染みのお客さまもいっぱい。すっかり気心もしれてますから、「留守するけれど、勝手に入って修理しておいて」と、カギを預けられることは日常茶飯事。あるお客さまからは、「カギ預けとくから、ウチんとこに行って、帰る前にクーラーをつけといてくれへんか」と頼まれたりもします。そういえば、「この前の代金、タンスの一番上の引き出しに用意しておくから、留守中でも勝手に上がって持って行って」と言われたことも。そのときはさすがにお断りしましたけれども。お客さまとそれくらい親密な関係でいられるのは、ありがたいことです。
親密といえば、ある詐欺事件で、警察から見守り役を頼まれたこともありました。ご高齢のひとり暮らしの男性がご自宅をリフォームされたんですが、他のお宅からの通報で、悪徳業者であることが発覚。その方、すっかり騙されてしまっていて。警察の方から、「かめみずさん、これから見守ってあげてくださいね」とお願いされました。
ご高齢のひとり暮らしの男性には、自炊の手ほどき。
補聴器は、うちの店でお求めいただいた以上、
使わなくなる方がでないよう、全力でフォローします。
見守ってと頼まれた方のお宅には、お元気にされているかご様子を見に、ときどき伺うようになりました。お食事はどうされているのか聞くと、毎日、買ってきたお弁当ばかり召し上がっているといいます。それでは栄養のバランスも心配ですから、いま、簡単なお料理を特訓中。電子レンジを使ったフライのあたためから始まって、ゆで卵の作り方、おひたしのつくり方、この前は魚の焼き方を手ほどきしました。まあ、お節介といえばそうかもしれませんが、ついお世話したくなる性分なんです。
うちの店では補聴器も扱っていて、多くの方にご利用いただいていますが、補聴器に関しても信念があります。補聴器というのは、買っていただいてからが、お客さまとのお付き合いの始まり。お使いいただいているうちに、聞こえの具合が変わることもありますし、細かい部分のクリーニングはご自分ではなかなか難しく、最もアフターケアを必要とする商品なんです。うちでは、専門員による“聞こえの相談会”を定期的に開催し、メンテナンスに力を入れています。ご自宅に伺って、聞こえの調整をすることもできるのですが、気晴らしになるのか、わざわざ出向きたいとご要望される方が案外多くて。歩くのが大変な方もいらっしゃいますから、ご自宅まで送り迎え。待ち時間には、アロママッサージで寛いでいただくサービスもしています。せっかく補聴器を買ったのに、いつのまにか使っていない。そんな残念な話をよく耳にしますが、うちの店でお求めいただいた以上は、使うのをやめる方がでないように、全力でフォローしています。
街のでんきやって、困ったときの駆け込み寺?
お年寄りからも、若い方からも、頼りにされています。
つい先日、初めてお見かけする方が、うちのチラシを握りしめ、息せき切って店に入っていらっしゃいました。レンタルしたDVDがデッキに入ったまま、出てこなくなったのだけど、どこに修理を頼めばいいのかわからない。どうしたものかと困り果てているとき、以前ポストにうちのチラシが入っていたことを思い出した。ここなら何とかしてくれるのではと、チラシの地図を頼りに、救いを求めていらっしゃったのです。修理の腕には自信がある社長が、さっそくその方とご自宅に向かい、一件落着。たいへん喜んでいただきました。
またこの前は、若いカップルが店にお越しになりました。下町情緒が残るこのあたりも、いまマンションの建設ラッシュ。若いファミリーがずいぶん増えてきましたから、うちの店もインスタグラムやブログで情報発信には努めています。
そのカップルからご依頼があったのが、食器洗い乾燥機の分岐水栓の取り付け。ネットショッピングを見たり、量販店に行ったりしたそうですが、商品は売るけれど部品は自分で調達してほしいと言われたとのこと。結局、部品がわからず、商品も買わないまま、どうしたものか困っているうちに、うちの店の存在を知ったといいます。商品を売るだけでなく、設置工事や、いざというときの面倒を見てくれるのは、やはり街のでんきや。ネットの時代になるほど、私たちはますます求められているのかもしれないですね。
今後、うちの店をどうしていくのか。社長と私は、私たちの代で終わっても仕方ないかと思っていたのですが、この春、東京で別の仕事をしていた三女がでんきやの仕事をしに帰ってくることになりました。私たちが楽しそうに仕事をしているのを見て、街のでんきやという仕事に目覚めたようです。社長は、街のでんきやの後継者を育成する“松下幸之助商学院”の第1期生なのですが、三女も、商学院の幹部候補生養成研修を履修しました。この町のみなさんとの絆が、これからも長く続いていくと思うと、しあわせな気持ちです。
お客さまのお話
お風呂上がりにドライヤーを使っていたら、壊れて。
かめみずさんがすぐ、
「今晩は、これ使ってー」と届けてくれたんです。
田中様
その夜はもう髪を乾かせないなぁとあきらめながら、
翌日にでも買いに行こうと思って、かめみずさんに電話しました。
そしたら数十分もたたないうちに、かめみずさんが自転車で駆けつけてくれて。
「今晩はとりあえず、これを使ってー」とドライヤーを渡してくれました。
感激しました。それからはすっかり、かめみずさんファン。
工場や自宅の大規模なリフォームも、迷わず、かめみずさんにお願いしました。
お店の情報
- 名称
- スウィート かめみず
- 住所
- 〒537-0022 大阪市東成区中本5-18-2店舗詳細を見る
- 電話番号
- 06-6972-2896
近くに住んでいるからこそ、地域の事や気候の事もよくわかってくれた上で、
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