お客さまと店の間に“それぞれの物語”
vol.15ベストな提案力の話
お客さまが僕らに求めているのは、
そのお宅にベストな提案力だと思います。
お客さまが何で“街のでんきや”でご購入くださるか。それは、提案力を 期待されてのことだと思うんです。「日頃の付き合いから、自分の家のことを よくわかってくれてるに違いない。」「きっと、いちばんふさわしいものを選んで くれるだろう。」その信用こそ、“街のでんきや”の原点だと思います。たとえば地デジ化が済んで以降、テレビが売れなくなったと言われていますが、 僕は疑問。お客さまと日常的に会話していると、このお客さまは話題のドラマを見逃して残念に思っていらっしゃるなとか、アクション映画がお好きなら、もっと大画面でご覧になりたいだろうなとか、いろいろ気づくものです。ところが お客さまは、ホントはもっと快適にできるのに、自分の不満を不満として気づいていない。ひとりひとりのお客さまの生活や好みをイメージしながら、そのお宅に最もふさわしい家電環境が整うよう、プロとしてアドバイスする。その提案を喜んでいただけたときが、この仕事をしていて、いちばんうれしいときです。
たとえ高額商品を望まれても、
「やめとき!」と言うこともあります。
お客さまのなかには、とにかく新製品が欲しいとおっしゃる方や、いちばん高級な機種を望まれる方もいらっしゃいます。それがベストな選択ではないと思ったら、たとえそちらの方が高額商品であっても、僕は「やめとき!」と言います。それが、信用。もちろん僕らは商売をしているのですから、 売上を上げるということは、とても大切なことです。でも、何がなんでも 売ればいいのではない。メーカーとお客さまの間にたって、お客さまに とっていちばん価値ある商品をご提供すること。それが、“街のでんきや”の心意気だと思います。
お客さまというより、友だち。
だからこそ、素直な心で接したいんです。
そんな気持ちでやっていると、ありがたいことに、お客さまが新しい お客さまを紹介してくださいます。新しいお客さまのところに伺うときは、こんな僕でもちょっと緊張します。ちょっとでも時間を守れなかったり、 何かミスをするようなことがあれば、わざわざ紹介してくださった 馴染みのお客さまの顔をつぶすことになると思うからです。 と言っても僕は、お客さまをつくる、とは思っていない。お客さまでなく、友だちをつくる、と思ってやっています。だからこそ親身になれるし、 絶対にウソはつけない。素直な気持ちで接するのが、いちばんだと 思っています。創業者である親父が亡くなったときは、自分が この店を継続していけるのか不安でしたが、いまはスタッフのみんなや 家族、そして誰よりもお客さまに感謝しながら、この仕事が楽しくて 仕方がない毎日です。
※ここでご紹介したサービスは、この店独自のものです。すべての店で行われているものではありません。