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お客さまと店の間に“それぞれの物語”

vol.28心の復興に向かう話

町のみんなの場“サライ”をつくりました。今日は、子供たちの自習室です。

私は電器屋ですが、被災した町の一員として、自分にできることをやっていきたい。そんな思いでいっぱいです。あれから三年たちましたが、特に思うのは、モノをつくる復興もせにゃいかんけど、人の心、特に子供たちの心のケアを考えなきゃいかん、ということです。たとえば仮設住宅のお子さんたちは、家族全員で二部屋ですから、勉強する場にも困っている。相当ストレスもたまっていると思うんです。せめて、ノビノビできる場を提供してあげたい。そんな気持ちで、店の隣りにつくった“サライ”と名づけたコミュニティルームを、子供たちの自習室としても開放しています。私自身、あの震災で、店も自宅も倉庫もトラックもほとんどすべてのものを失ったんですが、お客さまの励ましがあって、また電器屋を始める気力がでました。そして、店を再開するとき、思ったんです。これから町の人たちが支え合って生きていけるよう、みんなが集えるコミュニティルームをつくりたいと。それが、“サライ”。小さなオアシスという意味です。

「コミュニティルームがあることに救われました」と、つるし雛講習会に参加する佐藤さん。

“サライ”では、子供たちの自習室のほかにも、町の人たちの手によって、さまざまな集いが行われています。毎月第3土曜日は、つるし雛の講習会が行われていて、女性たちが和気あいあいとしながらも、真剣な面持ちで手を動かしています。そのなかのお一人に、佐藤さんという方がいらっしゃいまして。 “サライ”での講習会で、つるし雛づくりに夢中になり、あるコンテストに応募されて入賞したんです。そのとき、こんなことをおっしゃっています。「孫を亡くして心が閉ざされ、ワラをもすがる思いで、つるし雛の講習会に参加してみました。亡き孫を想い浮かべながら、一針一針手を動かしていると、心が慰められました。一針一針、孫と会話している気持ちになったんです。“サライ”は私に、心の出口をつくってくれました」。ここには、いろんな思いを抱えた町の人たちが、集ってくるんです。

全国のみなさまからいただいているご支援、感謝の気持ちでいっぱいです。

“サライ”には、子供たちのために、たくさんの図書が並んでいますが、それらはみな、全国の有志の方がたからの贈りものです。机は、市の福祉センターが譲ってくれました。そして子供たちの自習日には、ボランティアの大学生の方たちが、勉強のサポートに来てくださいます。店の前は、あのときの火災で、一面の野原になっているのですが、神戸で震災にあわれたトランペット奏者の方が、年に何回か、野外演奏会を開いてくださいます。感謝しても、しきれません。今日も、部活帰りの子供たちが何人も“サライ”に来ていますが、あの子たちの笑い声を聞くと、元気が出てくるんです。町の方たちとともに、前を向いていきます。

※ここでご紹介したサービスは、この店独自のものです。すべての店で行われているものではありません。

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