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お客さまと店の間に“それぞれの物語”

vol.67町のみなさんに応援されている話

私のほうが、この町のお客さまに支えられています。

街のでんきやを継いで15年になりますが、実は、でんきやなんて、やりたくないと思っていました。

私、子どもの頃から、家業であるでんきやがイヤでたまらなかったんです。父はずーっと家にいない。お客さまから電話で呼ばれれば、夜遅くだろうと仕事に出かける。クリスマスなどのイベントも家族で楽しめない。長女ではあるけれど、自分がでんきやになることはありえないと思っていました。高校を卒業すると実家を離れ、東京で仕事をしていたのですが、27歳のとき、おばあちゃんに介護が必要になって実家に戻ってきました。帰ってもお店の仕事を手伝う気になれず、手伝ったことといえば顧客台帳をつけることくらい。その10年後くらいに父は他界し、足の不自由な母だけでお店を続けるのは困難になり、もう店を閉めようと思いました。そんなとき、父にお線香をあげに来てくださったお客さまが、「由香ちゃん、お客さん待ってるよ。店、続けたらどうだ?」と言ってくださって。 何かと気にかけてくれていた従兄弟も、店を閉めるのはいつでもできるから、もう少し続けたらと、一緒に働いてくれるパートの女性(いまは育休中ですが…)を紹介してくれました。「じゃあ一年間だけ、やってみよう」。それから15年が経ち、現在に至っているんです。

女性コンビで仕事をすることが多いのですが、町のみなさんが応援してくださって…。ありがたいです。

父がやっていたでんきやを結果的に継ぐことになり、いまは二代目スタッフとして福本智江さんが店を手伝ってくれています。智江さんとはもうすっかり阿吽の呼吸。エアコンの設置工事や、さすがに大型冷蔵庫の搬送となれば、男性陣の応援を頼みますが、大画面テレビのお届けだって洗濯機だって、たいていのことは二人でしますし、いまや修理も板についてきました。商品をお届けするときは必ず、清掃道具も一緒。電球を交換したら、ササッと照明器具をひと拭き。冷蔵庫や洗濯機をお取り替えするときは、どかした後の床や壁をお掃除しています。まあ、街のでんきやさんなら、きっとどこのお店の方もやっていることだと思いますが。乾電池1本だけ必要な方には、パックのシールを破ってバラ売りします。こんなこと普通のことだと思うんですが、お客さまが「すまないねぇ、ありがとう」と言ってくださって。思わぬところで喜ばれて、こちらのほうが「ありがとう」という気持ちです。

震災のときほど、この町のひとたちと住んでいてよかったと思ったことはありません。

うちの店がある福島県の塙町は、山・水・花の町。森や温泉など豊かな自然を満喫でき、ダリアの町としても知られています。東日本大震災のときは、地震そのものの被害はそれほど大きいものではなかったのですが、停電が続きましたからね。町の人たちが、懐中電灯やラジオ用の乾電池を買い求めにいらっしゃったんですが、誰ひとり、買い占めようとする人なんていなかったんですよ。停電がいつまで続くかわからないのに、「ばあちゃんち、何本いる?オレんとこの半分持っていくか?」なんて、お互いに譲り合って。私、この町の人たちのあたたかさを折にふれ感じているんです。以前、母が元気だった頃、お客さまをご招待して温泉旅行に、足の不自由な母も一緒に連れていったのですが、お客さまのお世話で手一杯だった私に代わってお客さまが、「それ、母ちゃん、手つないでやっからさ」とか、階段では「ほれ、ケツ押してやっから」と付き添ってくださって。この町の住人で本当によかったと思ってるんです。お客さまから「由香ちゃん、頑張ってるねぇ。ずーっと続けてよ」なんて、ありがたい言葉をかけていただくこともあるんですが、私がこうやってまだでんきやを続けていられるのは、お客さま方が見放さず、おつきあいくださっているからなんです。

みんなで元気に頑張っていこうという思いをこめ、“たかまきやすし&東京ベルズ”による「のどピコ体操」コンサートを催しました。

うちのお客さまにも、ひとり暮らしのお年寄りの方がいらっしゃいますが、気がつけば今日一日、誰ともおしゃべりしていないということもあるかと思うんです。「のどピコ体操」というのは、声楽家である高牧康氏が考案した、声帯のアンチエイジング。加齢や会話の減少によって萎縮した声帯を鍛え、誤嚥を予防しようというものです。ふとしたきっかけで、“たかまきやすし&東京ベルズ”のみなさんが「のどピコ体操」コンサートを各地で開いていらっしゃることを知りまして、うちの町にも来ていただきました。みんなで歌い、うっとりコーラスに聴き惚れ、楽しい時間を過ごしました。

※ここでご紹介したサービスは、この店独自のものです。すべての店で行われているものではありません。

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