お客さまと店の間に“それぞれの物語”
vol.76暮らしのコーディネイターの話
家具職人という祖父の血筋なのか、趣味はものづくり。お客さまのお宅に合わせ、家具を手作りすることもあります
うちの店はこの春、街のでんきやの中でもホームエナジーソリューションやリフォームに強い“ネットワーク&エコハウス”店として認定されたのを機に、創業当初から、木材を生かした手作りの什器(家具)に囲まれたカントリースタイルの店内を、更に新しく自分たちの手で壁をレンガ張りにする等、お客様が寛いでいただけるこだわりの店つくりを進めました。 テレビ台や飾り棚など、亮さんが作った家具もたくさんあり、お客さまから我が家に合う家具を作ってほしいと頼まれることもあります。 たとえばテレビ台も、市販のものでふさわしいものがなければ、そのお宅のライフスタイルやインテリアともマッチするように製作。他にも新しい洗濯機をお届けしたとき、すぐ近くに洗剤やランドリーグッズなどを置く棚があれば生活動線がスムーズになるだろうと気づけば、オーダーメイドの棚を作ってさしあげることも。僕の好きなことがお客さまの暮らしのお役に立てて頂けるのなら嬉しいですね。
うちの店は、お客さまのライフスタイルにいちばんふさわしい商品をご提案できる、セレクトショップだと思っています。
ファッションだって、お客さまはビーチに行こうとしているのに、ジャケットをおすすめする店員なんていませんよね。商品選びも、そのお客さまの暮らしに合っていることが、いちばん大切。 僕たち街のでんきやは普段からお客さまと密に接しているからこそ、自信をもってお客さまにふさわしい商品をおすすめできると思っています。店に並べている商品のほとんどは、実際に自分たちで使ってみて目利きし納得したもの。調理家電や生活家電も実際に手に触れ、使うことができ、お客さまに実演しながらご紹介したりしています。
台風と塩害、ヤモリ対策は、沖縄のでんき屋の腕の見せどころです。
沖縄の暮らしでちょっと厄介なのが台風と潮風による塩害、どうしても電気製品などがサビやすいんです。風雨にさらされるテレビアンテナやエアコンの設置工事は、いかにきちんとした施工、対策を施すかで、その後の耐久性が全く違ってきます。 そして沖縄特有の悩みでもあるヤモリの侵入による機械の故障対策。一軒一軒のお住まいの状況に応じ、常に万全の対策を徹底した工事を心がけています。 沖縄の暮らしは台風や塩害など大変なこともありますが、海は美しいし、本当に自然が豊か。それに何より人情に厚い。昔から共に生きているこの地域の人びとは家族のようなものですね。
西表島に陸でありながら船でしか行くことのできない船浮という秘境があるんです。亮くんたちとは毎年のように、そこにキャンプに行っています。ちねん家とうちは家族同然。 でも、うちだけじゃなく、この町の人たちはみんな、ちねんさんとこには大変お世話になっていると思いますよ。住まいのことで困ったことがあったときも、電話一本で駆けつけてくれるし、ありがたいです。街のでんきやさんというより、“街のべんり屋さん”ですね。
僕は2007年に来日したんだけど、ちねんさんとのお付き合いは、アメリカから持ってきた家電が国内の電圧(ボルト)に合わず使用できなくて、それを使えるよう相談したのが始まり。 亮さんは英語ができるから、困っていた僕に英語でわかりやすく説明してくれ、とても助かった。今ではいろんなことを相談しています。 ミュージックスタジオをリフォームするときも、電気の回路を一から全て、安全に使いやすいようにやり直してくれた。アメリカ製の機械も、みんなベストな状態で使えるようにしてくれたしね。彼がいなかったら、ミュージックスタジオはできなかったね。
旅行などで一週間ほど留守することがたびたびあるんですが、ちねんさんがいらっしゃるので安心。郵便物の受け取りはしてくれるし、裏で育てている野菜の水やりもお願いしています。 また、この嘉手納町は各集落の集いも盛んで、祭祀行事をはじめいろいろな活動をしているのですが、そのときの音響設備やビデオ撮影などのお世話もしてくれますし、亮さんは町の無形文化財に指定されている民俗芸能、五穀豊穣(ほうじょう)を願って踊る男踊り「屋良のあやぐ」や「エイサー」演舞にも出演したりしています。

※ここでご紹介したサービスは、この店独自のものです。すべての店で行われているものではありません。